立山の室堂周辺を散策したのでご報告。
京都八条口からアルペンライナーに乗車。乗客は10名。がらがらである。空いていて快適だ。片道料金は11000円。赤字ではないかと余計な心配をしてしまう。
夜行で関西から立山へ向かう場合、鉄道であれば急行「きたぐに」をつかう、バスなら阪急・富山地方鉄道(地鉄)の夜行バスがあるのだが、どちらも富山駅に早朝につく。室堂までは富山駅から地鉄に乗り換えて終点の立山駅で降り、そこから美女平へケーブルカーであがり、美女平からバスに乗り換えて室堂につく。このため乗り換えの回数が非常に多くそれぞれ待ち時間があり週末や繁忙期は混むため座れるとは限らない。美女平からのバスは座れるが、補助席利用になるときがあり窮屈である。
なんだかアルペンライナーの話が長くなりそうで、いまだ室堂につかないのだが耐えて読んでいただきたい。
その点、アルペンライナーであれば、大阪や京都からいったん乗ってしまえば、終点の室堂まで乗り換えなし。目覚めればそこは標高2400mの室堂。とても楽です。
ほめてばかりだが、これ、乗客が10人だと売金が11万円しかないわけで。バスの維持費や運転手さんの手当がいかほどかは知らないが、そんなに儲かっている路線ではなさそう。関西から上高地へのさわやか信州号だと満席になっっていることに比べると乗客が少ない。そっちからの補填とかしているのか。
まあ、アルペンライナーは車両が古いですけどね。とくに後輪周辺は段差に乗り上げたときの衝撃がモロに突き上げてきます。後輪周辺の座席はシートピッチが長くなっているので楽っちゃ楽ですけど。
ということで、あまり乗客が少ないと路線が廃止になってしまう可能性があるのでやまのぼらー諸氏には是非利用していただきたい。やまのぼらー(登山者)でなくても室堂周辺の散策は美しい風景と自然に触れることが出来ます。ただ利用者が多くなりすぎると混むので痛し痒しですけど。
アルペンライナーは順調に北陸道を進みアルペンルートのゲートについた。アルペンライナーには5回以上10回未満の乗車経験しかないが、いつもゲートの先頭になる。他の観光バスの後塵を拝することなし。ゲートへの進入が遅れると、8;00発の上から降りてくるバスとのすれ違いがあるため到着が遅れる。先頭であればその心配はない。さすがアルペンライナー。そしてこのことが後に大きな影響を及ぼすのだが、いまはだれにもわからない。
7時に室堂着。やっほー!!でも土砂降り。今日は室堂から歩いて30分ほどの雷鳥荘に宿をとっているのですることがない。バスターミナルで雨宿り。ここで、I女史との邂逅。やまのぼらーのいくところって大概決まっていて、それなりに登山を続けていると室堂や上高地、新穂高なんかでバッタリなんてことはよくあります。まあ、彼女とはこの週末も会うんですけどね。
雨がやんできたので濃い霧の中、雷鳥荘までとぼとぼ歩きだす。途中みくりが池を通るのだが、絶句。残雪がてんこ盛りである。こんな残雪の多いみくりが池を夏に見たことがない。霧のため対岸が見えないので暗澹たる風景である。雷鳥荘で予約の確認をしてから、室堂山荘へ。一ノ越方面は見えない。これですることがなくなり、室堂のターミナルへ引き返す。この時点で朝の8時をすこし回ったところである。登山ならもりもり歩いている時間帯だが、いまの俺はすることがない。
ターミナルの隣の立山自然センターへ入ってみる。最近、東北をツーリングしても、唐松岳の下見にいっても、博物館や資料館に寄ることが多くなった。この立山自然センターは立山の自然や地理や歴史について展示があり、雷鳥について詳しく解説している。展示を眺め、書架にあった本多勝一氏の白神岳登山の記録を読む。そう、ブナに陽の光が差し込むときが美しいよね、と読むうちに館内の放送がはいった。
「立山の自然のガイドをしますよ。ボランティアのガイドだから無料だよ。参加するといいよ。参加したい人は3階の受付まできてね」
という意味の放送だった。時間はあるので3階で受付をする。本来なら9時から始まるのが、天候不良のためいったん見合わせていたのを、9時半から始めるとのこと。9時半になって3階に集合すると、参加者は俺一人だった。え?もしかして、すごく人気がないとか。この館にはたくさん見学者がいるのに、おかしいな。みんなバスの時間待ちかね。
そして登場したガイドさんは女性。美人。で、参加者が俺一人ということはですね、どういうこと。つまりマウストゥーマウス、じゃなかったマンツーマンでガイドしてもらえる(このあたりわざと間違えて書いてるから、大いに気にしながら読んでくれ)。この女性ガイドに室堂のあれこれについて教えてもらうわけで、個人授業でありプライベートレッスンであって、言い換えても同じことだがそういうことである。
聞けば普段であれば参加者が一人ということはないそうです。9時に始まるのを中止したことと、バスが上がってくる桂台ゲート付近の雨量が規定を越えて通行止めになったため、観光客が来なくなったのが原因とのこと。これよ。さすがアルペンライナーですよ。雨がきつくなる前にゲートを一番で通過したことによって、俺専属ガイドが誕生したわけである。
コースは2つある。室堂平周辺を散策する1時間コース。みくりが池周辺まで足を伸ばす2時間コース。迷わず2時間コースを選択。そりゃそうだ。時間はあるしガイドは専属で美人だし。なんだか、ショートですか、ロングですか、ってきかれているみたい。チェンジもしなくていいです。はは、なに書いてんだか。
で、ふたりで自然センターをでる。自然観察員はレンジャーってほどでもないが、コスプレではなくちゃんとした制服と帽子をかぶっていて腕には腕章をしている。いつもなら10人20人の客を引き連れてガイドするのが二人で歩いているのは変なカンジ。店外デートみたいな。もちろん屋外でのガイドだから店外っちゃあ店外ですけど。
無償とはいえ、富山県から認定を受けたガイドさんである。解説は立て板に水。覚えにくい高山植物の名前を理解しやすく教えてくれる。俺が知っている高山植物。ハイマツ・コマクサ。この二つだけだった。車山高原にでかけて初めてニッコウキスゲを覚えて3つになり、先日の唐松岳の下見でクガイソウを覚えたので4つかな。登山しない人には分からないかもしれないが、こんなの覚えてるってレベルじゃないから。そもそもハイマツを知っている高山植物にいれるなよ、と。いやでもハイマツってのはやまのぼらーにとってはホールドでありスタンスであり懸垂下降の支点であるところの偉大な植物である。もし日本の岩場にハイマツがなかったら、どうだろう。どうということもないのか。ただハーケン3枚は余分に持つ必要があるだろう。
ということで俺は高山植物にはあまり興味がない。山に関する地理や歴史、民俗なら興味があるのだが。そんな俺でも無理なく覚えられるように、連想記憶と歩く道順の花たちの並びを使って案内してもらえるので覚えられる。まあ、客が俺一人だからフムフムナルホドと相づちを打つのも俺一人なわけで、覚えざる得ないです。状況的に。
ハイマツのクライミングにおける利用の仕方は知っているが、ハイマツの植物としての特徴は全く知らず。これからは愛情を持ってハイマツと接することができそうです。
雨こそ降らなかったものの、濃い霧の中をふたりで歩いた散策は終わる。いま、案内してもらいながら撮影した高山植物の写真を見返して覚えているのはなんだろう。チングルマ!覚えました。オニユリ・クロユリもわかる。あとはほとんど忘れてしまったけれど、ガイドさんの名前は忘れないよ。なんてね。
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