私の話
鷺沢萠(さぎさわめぐむ)のエッセイ集。1992年と1997年と2002年の三つのパートにわかれている。
寮の食堂に小さな本棚があって、自由にもちだしができる。男しか住んでいない寮だからおいてあるのは「ナコルルのすべて」のようなオタク向けや勝目梓の小説なんかが多い。そこにおいてあったのが「私の話」である。
読みだしてから2004年の4月に自宅にて心不全でなくなった作家であることに気がついた。美人の
作家の死だから当時はニュースになった。
覚えていたのは、このエントリ。大石英司の代替空港 2004.04.15より
※ 作家の鷺沢萠さんが死去
35歳の作家が心不全で突然死んだという記事は、言外に自殺ですと書いちゃっているようなものなんだが、惜しいですね。女流作家は大なり小なり破 綻したプライバシーを切り売りしなきゃやっていけないご時世なだけに、彼女のように創作に集中している人には頑張って欲しかったですが。美人薄命というこ とか。合掌。
表紙になっている家族写真を撮影したころが、いちばんよかっだろうか。
このあと親父さんは亡くなり、会社が倒産して、一家夜逃げ。お母さんは乳ガンになり、本人は結婚して即離婚。作家としては成功するものの、酒と麻雀に明け暮れる日々。
女の人生すごろく作家篇、というのがあるとすれば、彼女は無頼コースをすすんだようだ。
父をモデルとした小説の取材過程で父の母(祖母)が朝鮮人であることがわかり、そこから在日韓国人への関心に傾斜していく。2002年には韓国人のサークルで一世のハルモニ(おばあさん)に読み書きを教えるエピソードがある。
2002年の私の話を執筆したあと1年半後には、自殺というかたちになってしまう。けっきょく、なにも彼女を救うことがなかったんだなあ、と。サイバラリエコには誰もなれない、のかと。そんなことを考えながら読んだ。
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